作家さんが影響力を持っていた時代、そういうのが平成の初めごろまであったでしょうか。
今の作家さんは売れている人はいても、その人自体が社会へ影響力を与えるほどの力はないようです。
司馬遼太郎さんは、小説家でした。
しかしながら、同時に評論なども展開し、思想家でもあったと思います。
あれだけの著作を残せば、そりゃあ思想も生まれるだろうとは思うのですが、現代にこれほどの力を持った人はいない。
そういう実感です。
そして、単に社会を改革せよとかそう言うんじゃなくて、過去を真摯に見つめ続けたことがこの人のすごさでしょう。
今、未来とか新しい技術とか、先を見据えた行動が必要とされると言われます。
しかしながら、わたしはこの国がどうして今こうなっているのかという過去にも目を光らせなければいけないと思うのです。
隣国との関係や、グローバルな流れ、そういった関係がどうしてこじれたり悪化したりするのか。
それは過去を、自分たちの先祖が何をしたのかということを見据えなければ、どうしても付け焼き刃で根本的な解決にならない対応しかできないのではないでしょうか。
司馬遼太郎さんの言葉を聞いているとそう思います。