地元にホールがあるか

市民の教養といいますか、さまざまな知識をはぐくんだり、興味関心を持って楽しめる場所を提供すること。

これが公共の施設の役割の1つではないでしょうか。

たとえば博物館は、世界のさまざまな資料を展示して、子どもに限らず幅広い年代へ学校だけでは補えない学習を行うことができます。

学習というと嫌悪感を感じる人もいるかもしれませんが、要は楽しめということなのです。

博物館というのは実は水族館や動物園も含まれる言葉です。

わたしも大学で学ぶまで知りませんでした。

そんな中で、博物館とは別に音楽ホールもしくは多目的ホールがその街にあるかどうかというのも市民の人生のあり方を変えると思うのです。

少なくとも1つは大きなホールがあって、魅力的な演奏や演劇を見ることができる環境が必要だと思います。

この差が人生の豊かさを分けてくると思うからです。

確かにオーケストラのコンサート料金は安くありませんが、コンサートってのはオーケストラに限らないのです。

わたしはクラシックが好きですから、リサイタルや室内楽なども聴きますが、大事なのは生の音楽を聴いてみる経験が必要だということです。

CDやYouTubeも貴重な機会ではあるのですが、生演奏を聴く機会がないというのはもったいないです。

奏者の雰囲気、空気の震え、観客の拍手の音。

これらはコンサートへ行かなければ体感できません。

そうして聴いた音楽や演劇は、のちになって何らかの媒体で聴き直したときに、豊かな情感を持って自らの中に染みこんできます。

だから、街に1つはホールがあって市民が音楽や演劇などとふれあえる場所が必要だと思うのです。

YouTubeと違って、コンサートを聴きに行くのはお金も時間もかかります。

ですが、本当にその人の血肉になるものはタダでは手に入りません。

お金を払うというのは大変な行為ですが、その価値があるからこそのお金です。

公共の施設は市民の側から利用してナンボです。

どんどん使ってやってください。