口内調味

聞いたことありますか? この言葉。
「口内調味」
要するに、日本食の食べ方の特徴らしいです。
わたしは数年前に初めて聞いて、とても印象に残っています。
つまり、日本食は一汁三菜とかいうように、米があり、そして副菜がありますよね。
例えば、おかずを食べて、そしてそれの味をよくするために米もいっしょに食べる。
日本的文化圏に育った人なら何気ないことかもしれませんが、海外では理解しがたい、と聞いたおぼえがあります。
なんだ、魚とか(おかず)を食ったら米を食いたくなるだろう、と思うのはそれは日本の文化圏で育ったからです。
口内調味をしない文化圏では、料理はごく簡単です。
全部いっしょなのです。ハンバーガーみたいに。
一口食べればその中で完結している。
これが典型です。
けれども、日本料理はおかずとお米、お汁とお米をいっしょに食べることでご飯が口の中で完成します。
さらに、自分の好みに合わせてその組み合わせや量まで、自在に調整している。
これが日本食の深さだ、という理論でした。
でもまあ、口内調味自体は程度の差はあれ、たぶんどこでも行われているでしょうね。
これはワインの文化圏で言えば、きっとチーズとワインのマリアージュといった具合で理解されるでしょう。
こういうお酒との組み合わせなら案外あるかもしれませんが、毎食それをやっているのが複雑きわまりなく面白いのだ、ということのようです。
なるほど、我々は口の中でもう1回ご飯を料理しているというわけですね。
とは言っても、それを意識することなんてありませんから、う~ん、これを海外の方に説明してわかってもらうなら、日本にしばらく住んでもらうしかなさそうですね。