悪いというわけじゃないんです。
好きじゃないんです。
TEDと言えば、壇上に話者が立って話すわけですが、あの様子がどうにも好きになれない。
やけに自信にあふれていて、観客の笑いを適度に誘い、最後には感動の拍手に包まれる。
そんなにすごいことだろうか、何に感動しているのだろう。
そんなふうに思うことがあります。
おそらくTEDのように話すことが、異文化で育ってきた者同士の間で主張するときはベストの方法だからでしょう。
TEDで話されていることがハイレベルであったり、自らにとってあまり気持ちのよくない話だとしても、みなが拍手するのはその語りのスタイルがなす技だといえます。
どこの誰だか分からない人が、自信なさげにつっかえながら面白くもなく話していたら、おそらく誰も耳を傾けません。
TEDの内容の是非は別にして、ああいうスピーチのスタイルが人びとを引きつけるのだとすれば、わたしはスピーチなど好きになれませんね。
どのような形であのスタイルが生まれたのか知りませんが、人間のことを考える上では興味深いと思います。