少し前の映画かもしれませんが『ダイバージェント』というものがあったと思います。
この映画のことを初めて聞いたとき、不思議な思いがしたのを思い出しました。
現代では「ダイバーシティ」、つまり「多様性」が認められるべきだという流れが主流です。
ところがそんな時代の中に置かれた人びとは、自らのアイデンティティとはなにか知りたくなる。
わたしは○○な人間だ!
そう言いきれる人は多くないでしょう。
だから、自分が何者か不安になる。
なので『ダイバージェント』のように「自分が何ものかの区分けに収まらなければならない(そこから脱しなければならない)」という映画が生まれたのでしょう。
この映画は時代をよくつかんだ作品だったかもしれません。
多様性の時代に、発散してゆく個々をまとめようとする。
映画を見れば、その時代の思想史が分かるかもしれません。