魚を殺したことはあるか

これはどちらかというと食育のお話なのですが、皆さん、食べ物の命を奪ったことあります?

ウシやブタを殺して食う、というのは直接的には難しいです。

技術もありますし、知識も必要です。

それからたぶん、法律も絡んでくるでしょう。

ならば、身近なところでお魚。

なぜ、「殺して」というところにこだわるかと言えば、最近のテレビや、若者たちを見ていると「命をいただいている」という感覚が希薄だと思うからです。

たとえば、グルメ番組では延々とおいしい「お肉」やらのことを騒ぎ立てますよね。

「これはなんと、○○牛のA5ランクのお肉なんです!」

「わあ、おいしそうですねえ」

どれだけ野蛮なんだと思ってしまいます。

彼らがおいしそうだと言っているのは、お肉です。

肉というのは動物の命を絶って切り取った固まりです。

そういう認識があって、わあおいしそう、なんて軽々言えるものでしょうか。

価値観が変わる経験、それは実際に殺して食べてみることではないかと個人的には思います。

身近でそう思ったのが、魚だったのです。

生きている魚に包丁を入れて、ピチピチ動いていた彼らが事切れる感触というものを、一度感じた方がいい。

我々は、命を食べて生きているんです。

これが、食育じゃないですかね。

もちろん、肉をおいしそうと言うのが野蛮なのではありません。

だけれど、その前提としての大切なことを忘れていないだろうかと、そう思うわけです。