お盆

夕方、窓辺にたたずんでいると迎え火の松のにおいが漂ってくる。
近くの駐車場を見ると、訪問客の車が群れている。
時折人が乗り降りしてはあいさつを交わす。
皆、軽装の喪服で、暑そうにハンカチで額を拭いている。
ふと風のにおいに魚を焼くにおいが混じっていた。
たそがれ時、この世は今生きるものと死んだもの、古い文化とそれを受け継ぐものが行き来している。