四月といえば、旅立ちの季節だろう。わたしにはそういうイメージのほうが強い。
出会いと、別れ。
わたしは別れが嫌いだ。しかし出会うことは好きだ。
出会うことはいつか必ず別れることであるのに、人は出会いを喜ぶ。
それは本能的なことで、特に考えていることでもないのかもしれない。
いつか別れるのだと知っているから、人は他の生き物よりも一緒にいる時間を大切にできるのだ。(だと信じたい)
でも、普段から一緒にいられることが素晴らしいことなのだと感じられている人は少ないだろう。
やはりこれも、なくしてみて初めてわかることが多いのだ。
今ある生活、ここまで築いてきた生活、これからの生活。出会いはこれらのすべてをいっぺんにひっくり返してしまうこともある。厄介といえば厄介だ。
しかし全ては出会わないことには始まらない。
人は何かすることよりも、何もしないでいることのほうが難しいのだ。
わたしたちはこれからもこの流れ、出会って別れることをずっと続けていくだろう。それは決まっていることでもあるし、人とはそういうものなのだ。それに悲しみを感じるのも自由だし、楽しみを見出すのもその人次第だ。
全てはものの見方。出会いも別れも紙一重でつながっている。手のひらと手の甲のようなものだ。
出会ったからにはいつか別れる。別れたからまた出会いがある。
そのきっかけが、四月なのだ……。